千住で聴く世界の音楽Vol.3『イランの音楽』

イラン・クルド族の住むケルマンシャー州サハネ市は、古代よりタンブールという楽器が宗教的な場において用いられてきました。タンブールは、その原型が約6000年前の壁画にも描かれ、すべての撥弦楽器の先祖とも言われています。古くより聖なる楽器と考えられてきたタンブールの音色と調べは、音楽と精神の結びつきが知られていた古代より現代まで、人々の尊厳と共に伝えられてきました。

同サハネ市の出身で、タンブール演奏で非常に有名なクルド族のラアナーイー一家は、クルドの音楽のみでなくペルシア古典音楽にも造詣が深く、様々な困難を乗り越え首都テヘランに移住し、活動を続けてきました。彼らの奏でるタンブールの調べは、イラン国内外を問わず、聴く人に深い感動を与えることで知られており、特に、シューレシュ氏、プーヤン氏の若い2名の奏者は、イラン音楽の期待の星として非常に注目されています。

本公演では、日本で耳にする機会の少ないイラン音楽を、レクチャーとともにしっかりとご堪能頂くとともに、イランから来日した彼らがどのようなことを感じ、どのような交流を体感したのかをお伝えすることで、イランやイランの音楽、人びとを、身近に感じていただきたいと思っております。

公演情報

日時:2011.8.27 (土) 18:00開演 (17:30開場)
場所:東京藝術大学千住キャンパス (足立区千住1-25-1)
入場無料・事前申込制  定員:150名

*先着順で受け付け、定員に達し次第、締め切らせていただきます。
*未就学児のご入場はご遠慮ください。

主催:東京藝術大学アートリエゾンセンター/国際交流基金JAPAN FOUNDATION
共催:足立区教育委員会

お申し込み情報

定員に達したため締切ました。たくさんのお申込ありがとうございました。

出演者情報

  • ヤヒヤー・ラアナーイー / タンブール、歌

    ヤヒヤー・ラアナーイー / タンブール、歌

    Yahya Ranaei

    イランを代表するタンブール奏者の一人で、イランで初めて公の場でタンブール演奏を行なったグループの一員でもある。1975年全イラン芸術祭のタンブール部門で名誉ディプロマ賞を受賞。シリア、トルコ等での海外公演経験もあるほか、多くの生徒を抱え、タンブール奏者育成にも力を注いでいる。

  • シーリーン・モハンマディ / タンブール、マカーム〈歌〉

    シーリーン・モハンマディ / タンブール、マカーム〈歌〉

    Shirin Mohammadi

    タンブール・マカームにおける唯一の女性シンガー。イランで初めてタンブールの製作者免許を取得した女性でもあり、イラン初の女性タンブールグループを結成し女性観客向けに大々的なコンサートを実施したりと、女性ミュージシャンのパイオニアとして、先駆的活動を展開してきた。

  • クーフザード・シューレシュ・ラアナーイー / タール、タンブール、歌

    クーフザード・シューレシュ・ラアナーイー / タール、タンブール、歌

    Shooresh Ranaei

    イラン国内で最も期待される若手音楽家の一人で、10代前半の頃から数々のフェスティバルで優勝してきた。タールとタンブールが専門だが、あらゆる弦楽器を弾きこなす。即興ソロ演奏を得意とし、近年、他の国の伝統音楽のメロディーやリズムも演奏に取り入れており、2009年には即興とオリジナル曲のソロアルバムを発表した。2010年7月、テヘランで開催されたイラン若者音楽フェスティバルにて、タール、タンブール、ディワン部門で1位となり、様々な音楽ジャンルの参加者2700名の中で最優秀音楽家に選ばれた。

  • プーヤン・ラアナーイー / タンブール、トンバク、歌

    プーヤン・ラアナーイー / タンブール、トンバク、歌

    Pouyan Ranaei

    タンブール、トンバクを専門に、兄シューレシュに並び、キャマーンチェなどその他の楽器も演奏する。
    母親譲りの美声を持ち、現在、イラン古典声楽も習得中。2010年の毎年恒例ファジル音楽祭におき、イランを誇る文学『王書』を詠うグループにおいて、タンブールと歌を披露し、高い評価を受けた。

  • 慶九 / 通訳・進行

    1996年よりアメリカ・ボストンにてワレン・センダース氏に、2003年~2006年にヴィーナ・サハスラブッデ女史に北インド古典声楽家を師事。1999年より、歌い手として活動。2004年、イラン音楽の巨匠ホセイン・アリザデ氏のグループが来日し、それまで持っていたイラン音楽への興味が増し、2007年、イランへ語学留学。アフサーネ・ラッサーイー女史(2004年、アリザデ氏と共に来日)にペルシア古典声楽を、セタールを、ディナ・サッファーリー女史に手ほどきを受けた後、クーフザード・ラアナーイー氏に師事。タンブールを、ラアナーイー・ファミリーに師事。現在、テヘランの国立芸術大学・イラン音楽演奏科に所属。

  • 狩野 泰一 / ゲスト

    1963年東京生まれ。13歳でドラムを始め、一橋大学在学中にライブ活動を開始する。ニューヨーク留学中、自己のアイデンティティーに目覚め、1987年「鼓童」のメンバーになって以来、カーネギーホールを始めとする世界20カ国で1000回を超える公演に参加。佐渡島に暮らしながら日本古来の「篠笛」の可能性を広げ、2005年ヤマハからソロデビュー。 自然でここちよい楽曲を発表し続け、篠笛のオリジナルCD等をリリースしている。近年は、欧米、インド、中東、アフリカ等活動の幅を世界に広げ、篠笛ワークショップも全国で展開している。

お問い合わせ

東京藝術大学アートリエゾンセンター
電話:050-5525-2744、2727(平日10:30ー17:00)
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※8/12(金) - 16(火)は、夏季休業中のためスタッフ不在。