藝大Big Band “MANTO VIVO” 「Let’s スイング・ジャズ!」を開催しました。
10月13日、ギャラクシティがジャズの熱い空気に包まれました♪
MANTO VIVOは、藝大在学生を中心に構成され、50年以上にわたり活動を続けてきた歴史あるビッグバンドです。ジャズ専攻がない藝大の中で、学園祭や入学式の学内のイベントに登場しながら腕を磨いてきました。ジャズの軽快なリズムと、藝大ならではの美しいクラシックの音色とハーモニーが融合し、独自のジャズの響きを築いています。
一曲目、『Swing Action!』で開演。『In the mood』など名曲ばかりのメドレーですが、若い勢いのある演奏で、一気にMANTO VIVOの世界に引き込みます。曲が終わり、MCで挨拶したのがバンドマスターの宮越悠貴さん。少しMCでは緊張している様子でしたが、丁寧なMCがご来場者の方に大好評でした。2018年3月にサックスで修士を修了したばかりの宮越さんですが、既にCDデビューを果たしサックス奏者として大活躍しています。続いては、グレン・ミラーの名曲『Moonlight serenade』。クラリネットで素敵な音色を吹いてくれたのが、KENTAさんです(KENTAさんは、サックスと持ち替えでした)。ご年配のお客様の多くが、若い時にこの曲を聴いていらっしゃったようで、アンケートでも「懐かしかった!」という声が寄せられました。そして、ヘンリー・マンシーニの『Pink Panther』『Moon River』に続きます。『Pink Panther』は、印象的なトライアングルの音色に、サックスの嵐田紀子さん(通称のりピー)のソロが絶妙に絡み合います。『Moon River』は、劇中のオードリー・ヘップバーンの歌が有名ですが、ビッグバンドのアップテンポなアレンジも素敵です。トロンボーンのソロは、福田えりみさんでした。
『New York, New York』『Shiny Stocking』と、ビッグバンド全盛期の古き良きアメリカを彷彿とさせる名曲が続きます。そして、スティービー・ワンダーの『Isn’t She Lovely』は、嵐田さんとKENTAさんのサックスソロ、そして笹栗良太さんのトロンボーンソロ、和久井沙良さんのピアノソロの掛け合いが楽しく、こんな楽器同士の会話もジャズの醍醐味。第一部最後の『The Jazz Police』は、疾走感があり、若いMANTO VIVOのエネルギーが存分に発揮される曲です。ギターメロディが面白く、アンケートでも印象に残った曲にあげる方が多かった曲です。志野文音さんのギターソロと、宮越さんのサックスソロで会場の空気が最高潮に盛り上がると勢いそのままに第一部の幕を閉じました。
スタンダード・ナンバーが中心だった第一部から、ガラリと雰囲気を変えて、第二部ではラテンナンバーからスタート。リズムセクションのメンバーは、カジュアルな服装にお色直し。会場に南国の暖かい風が吹きます。『Manteca』は、ディジー・ガレスピーによる名曲で、石村源海さんのソロが光ります。
続いてデューク・エリントンの『Caravan』は、ラテンのメロディーとスイングが交互に織り込まれている面白い構成。サックスのスティーブ・チェイさんと田中奏一朗さんソロが曲を締めます。
『Desafinado』と『Wave』で、ゲストのトロンボーン奏者・忍田耕一さんが前面に登場。トロンボーンの柔らかく広がりのある音色が引き出され、素敵な演奏に会場が一瞬で忍田さんの世界観に包み込まれます。『Tutu』『Samba Del Gringo』では、忍田さんに続いて、ゲストのフルート奏者・林広真さんが登場。林さんは、宮越さんと同級生でMCの掛け合いでも、切磋琢磨してきた2人の仲の良い様子が窺えます。そして『Spain』から、ゲストの三味線奏者・岩田桃楠さんが参加。
コンサートの最大の聞きどころ、”ジャズと三味線の融合”です。ここまでジャズの楽器の音色に慣れてきた耳に、三味線の音が新鮮に響き、お客様が三味線ソロに息をのんでいる様子が伝わってきます。三味線とのセッションが実現するのも、邦楽科がある藝大ならではですね。AKIマツモトさんと和久井さんのピアノ連弾も素敵でした。最後の曲『September』では、ゲストもそのまま残り、20名近くの大編成で盛り上がりました。代わる代わるソロの見せ場があり、楽しい宴を締めくくるのにふさわしい一曲となりました。
今回は、足立区民向けに行っているコンサートを、多くの方に聴いていただきたいとギャラクシティで開催いたしました。楽しんでいたけるようにたくさんの工夫をいたしましたが、いかがでしたでしょうか。今後も、音楽の楽しさ、素晴らしさを感じていただけるコンサートを企画していきたいと思います。