山中歩夢ピアノリサイタル「フランツ・リストが描く伝説」が開催されました
1月11日(土)東京藝術大学 千住キャンパス スタジオA
1月11日、東京藝術大学北千住キャンパスにて山中歩夢ピアノリサイタル「フランツ・リストが描く伝説」が開催されました。
本公演はアートリエゾンセンターにとって2025年最初の催しでしたが、リストの華麗かつ重厚な音楽が新年を彩りました。
リストは音楽史で最も偉大なヴィルトウォーゾ(名手)であり、ロマン派を代表する作曲家でもあります。詩的でロマン的な作品や、超絶技巧を駆使する作品、祖国ハンガリーを思い描いた作品、シニカルな悪魔主義を扱った作品、内向的で宗教的性格の作品まで、75歳まで生きたリストは時代ごとに作風を変化させました。
今回は、ハンガリー国立リスト音楽院で研鑽を積んだピアニスト、山中さんならではのプログラムが披露されました。MCでご本人が「趣味全開のプログラム」と仰るほど、リストの演奏会でよく扱われる王道曲に縛られない、選曲のこだわりが伺えました。
リストのピアノ作品から「伝説」にまつわる作品を中心に演奏されました。
- ・シューベルトによる『12の歌』第4曲 魔王
- ・伝説
- 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
- 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ
- ・超絶技巧練習曲第8番「死霊の狩」
- ・ローレライ
- ・無調のバガテル
- ・メフィストワルツ第1番「村の居酒屋の踊り」
ご自身が特に弾きたかったという作品「伝説」では、楽曲冒頭の繊細な音色によって会場全体がぐっと惹きこまれ幻想的な世界へと誘われました。リスト作品の新たな一面を知る機会になったのではないでしょうか。
気さくなお人柄が伝わる、朗らかな演奏会となりました。
(文責:鹿田愛)