東京藝術大学アウトリーチ・コンサート「クリスマス・コンサート」を開催しました。
7月に改修工事が終了したばかりの保塚地域学習センターにて、「クリスマス・コンサート」を開催しました。
アウトリーチ・コンサートでは、初めての木管三重奏のコンサートです。“トリオ・ダンシュ”と呼ばれる編成で、木管楽器の中でもリードを使うオーボエ、クラリネット、ファゴットの3つの楽器から成ります。演奏者は、これまでトリオ・ダンシュの演奏の経験があり、現在、大学院に在籍している近藤菜実子さん(オーボエ)、安藤友香理さん(クラリネット)、南齋侑花さん(ファゴット)です。
プログラムは、H.トマジ「田園のコンセール」より‘序曲’から始まり、J.S.バッハ「シンフォニア」第12番へと続き、木管三重奏のハーモニーの美しさが光るクラシック曲を披露。2曲目の「シンフォニア」は、もともとバッハが弟子に鍵盤楽器を指導するために作曲・編纂した曲集で、現在、ピアノ学習者に最も使用されている教材の一つです。作品が3つの声部からなることから、今回はそれぞれの声部を3つの楽器で担当しました。
続くJ.イベール木管三重奏のための「5つの小品」では、3つの楽器の華やかな旋律が調和し、木管楽器の柔らかい響きが会場を包みます。
曲間では、演奏者が楽器の特徴やリードについてわかりやすく説明をしてくれました。客席との距離が近いので、演奏者が来場者の方の反応を確認しながら、会話するようにMCが進んでいきます。
後半は、「アラジン」‘ホールニューワールド’、「ニューシネマパラダイス」、「きらきら星変奏曲」と耳馴染みのある曲が続きます。知っている曲でも、編成が異なるとまた違った趣を感じられます。「きらきら星」は、“♪きらきら光る、、”という歌でお馴染みですが、「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」というフランスの歌が元になっていて、モーツァルトがそれを12の変奏にまとめました。簡単な旋律ですが、モーツァルトの巧みな作曲により、趣の異なる12の変奏になっています。コンサートでは、南齋さんによる個々の変奏の解説を挟みながら演奏を披露してくれました。
最後の「クリスマス・メドレー」は、「赤鼻のトナカイ」や「ジングル・ベル」など、合わせて7曲もの楽しいクリスマス・ソングが盛り込まれた豪華版で、大学院作曲専攻の山下真実さんが今回の編成のために編曲を手掛けてくれました。
来場者の方からは、「オーケストラだとわからない音の違いがわかって良かった。オーボエ、ファゴット、クラリネットそれぞれの良さがわかりました」「すばらしい演奏でした。文化活動の発展のためにもさらなるすばらしい演奏を期待します」といった声をいただきました。